「祭の男」宮田宣也のブログ/明日がもっとスキになる

今,守るべき,つなぐべきこころって何だろう。祭の男,宮田宣也の祭ライフと,祭哲学について。

宮田宣也,神輿をめぐるドキュメンタリー映画「祭の男MIKOSHI GUY」誕生秘話!

僕自身の神輿人生を追ったドキュメンタリー映画「祭の男MIKOSHI GUY」が2019年1月,いよいよ完成します!

横浜で生まれ,地元春日神社の神輿を製作し守り続けた祖父宮田鐘司。

突然の死を受けて祭を引き継いでいかなければならなくなった宮田は神輿をめぐり全国を回りました。

そして神輿はベルリンへ。

神輿を中心に集まった宮田とその仲間たちを追ったドキュメンタリー。

映画「祭の男MIKOSHI GUY」誕生秘話

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映画「祭の男MIKOSHI GUY」

イノマタ監督とは,焼きそばを焼いていたら出会った

2016年8月。

僕は毎年錦糸町で行われる錦糸町河内音頭で,焼きそばを焼いていました。

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真夏に鉄板の前でヘラを振るいます。熱い!

来場者数万人の大きな盆踊り大会。

せっせと焼きそばを焼いていると,たくさんの友達が来てくれます。

2016年はベルリンで初めて神輿が上がった年。

大成功に終わったベルリン神輿渡御から帰国した僕は,いつもと同じようにまた神輿のシーズンを謳歌していました。

しかも偶然,ベルリンから日本へ来ていた仲間たちもたくさん!

地元の祭のように何人もの友達が焼きそばを食べに来てくれます。

「のぶやくんに紹介したい人がいる」

そう連絡をくれたのはベルリンにも同行して撮影してくれたカメラマンの下山さんでした。

せっせと焼きそばを焼いていると,下山さんの隣にもう一人。

それがイノマタ監督との最初の出会いでした。

神輿ってこんなに面白いんです!

せっかく来てくれたので僕は焼きそばを仲間に任せてイノマタさんと下さんのもとへ。

イノマタさんはその頃,職人の番組を製作しようとしていたらしく職人の世界の話を聞きにわざわざ来てくれました。

僕も木を扱う職人なので,業界の話をしたり,宮大工の世界の知識を話したりしていました。

もちろん,神輿の話も。

下さんはベルリン神輿渡御を共に成功させた仲間です。

一緒に作り上げ目の当たりにした奇跡を,僕らはより鮮明に感動を交えて話しました。

イノマタ監督は,すっかり神輿の世界に興味を持って,

「9月の春日神社のお祭りには是非行くよ!」

と言ってくれました。

2016年春日神社例大祭

春日神社は,僕の故郷,横浜市の旧小菅ヶ谷村総鎮守であり僕の氏神さまです。

ベルリンで担がれた神輿もここの神社のお祭りで僕が小さい頃に担がれていたもので,祖父や,祖父の仲間たち,地元の人たち,僕の父もその神輿を担いでいました。

僕が小さな頃,祖父は今担がれている新しい神輿を完成させ,それからずっと同じ神輿を担いでいるので僕はヨーロッパの神輿が日本で上がっている様子は覚えていないのですが氏神様の祭の歴史です。

イノマタさんはその祭へと足を運んでくれました。

2016年の祭には,僕がNHK「U-29」に出演した時の撮影のスタッフが撮影に来ていました。

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NHK「U-29」でのインタビュー

地元の祭がNHKに出るとあって,僕も張り切っています。

イノマタさんも撮影してくれたので,カメラがいっぱい。

なんだか毎年の祭とは違った雰囲気で,特別な思い出となりました。

まさか映画を作るなんて

地元の祭にご縁のある人が来てくれるのはとても嬉しいものです。

一年に一度しかお会いしない人もいますが,それでもずっとつながっていられるのは一緒に神輿を担ぐから。

神輿にはそれだけの力があるのです。

その中でも生まれた故郷の祭は,特別。

どんな祭より大好きで,どんな祭より楽しい一日となります。

最高に楽しい1日を共有し,少しだけイノマタ監督にも神輿を担いでもらうことが出来ました。

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イノマタ監督も楽しそうに神輿を担いでくれました

祖父が命がけで守ってきた春日神社の神輿。

この時はまだ映画を作るなんて事にはなっていなかったのですが,この日お神輿を担いだ体験が,イノマタ監督のこころに何かを残したようです。

神輿をテーマにした作品を。

それから,神輿のシーズンも落ち着いて僕は渋谷で監督にもう一度お会いしました。

「神輿をテーマにした映像作品を何か作れないか。」

2017年,2回目の神輿がベルリンで上がることはもう決まっていました。

ベルリンでどんな人が動き,そんな風に神輿は担がれ,そしてどのように文化へ発展していくのか。

日本人が紡いで来た日本の祭という文化がさらに可能性を広げていくその瞬間を映像におさめたい。

そうやって,映画「祭の男MIKOSHI GUY」は生まれることとなったのです。