「祭の男」宮田宣也のブログ/明日がもっとスキになる

今,守るべき,つなぐべきこころって何だろう。祭の男,宮田宣也の祭ライフと,祭哲学について。

神社清掃のススメ〜もう一度御神輿を上げるために〜

コロナ禍により,春から現在にかけてほとんどのお祭りにおいて神輿渡御が中止になっています。

しばらく再開は難しく,さびしい一年となっています。全国では今できる祭の形としてオンラインでの試みがされていたり,規模縮小しての開催となったり変化が見られますが,僕自身の試みとして今年は「神社清掃」に力を入れています。

昨年から神社清掃をはじめ月に一回継続して来ましたが,神社清掃の持つ力はあまりに大きく,いつかまたもう一度お神輿が上がる日までに出来る極めてパワフルな活動であると感じています。

祭の活性化のためになぜ今神社清掃なのか。それについて書いていきます。

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横浜春日神社の仲間たちとともに

祭の1日を作るために(ハレとケの考え方)

祭が無くなったわけではない

 祭,という言葉が非常に広い意味で使われているため,正確ではないかもしれませんが神社における祭が無くなったわけではありません。

規模の縮小や,祭礼に関する行事の中止は多くの場所で中止となっていますが,本来神社における祭は,神前において神職により神事がなされる日です。

ほとんどの神社では氏子の方々と共に最低限の人数でも行われています。

「全国の祭が中止」となっているわけではなく,逆にほとんどの祭は例年通りの日程で行われています。

今年は神輿渡御は問答無用で中止

 一年に一度だけくる祭の日(数回行われる場合もありますが)は特別な日です。多くの仲間たちが集まり共に神輿を担いだり,縁日で夏の思い出を作ったり,神社に集まり氏神様に思いを寄せる大切な日本文化です。

しかしコロナ禍によりそういった集いは全て中止になってしまいました。

我が故郷でも神輿渡御や関連する行事は無くなり,当日は神職と氏子のみでの神事です。

毎年必ず行なって来た神輿が上がらない・・・。

天候や社会情勢のために縮小された祭もいくつかあるとは思いますが,今年は問答無用で全て中止。

戦後初,なんて祭もあるようです。

オンラインでの試み

全国では,コロナ禍で出来る試みとしてオンラインでの中継がなされています。

盆踊りやお囃子,神事においてもライブ中継が行われ,WEB上で見ることが出来るよう

になっていました。

現状の中でどんなことが出来るのか,お祭りを愛する人たちは考え行動しています。

神社清掃の考え方

神社清掃における考え方は,「今だから出来る祭のカタチ」と異なった意味での「今できること」だと考えています。

僕のスタンスとしては,"今出来ないなら,次出来る機会に備えればいい"という考えなので,ハレの日を現状に沿ってプロデュースするのではなく,良きハレの日をもう一度迎えるためにケの日を充実させればいいと考えます。

神社清掃は正に,「またいつか神輿が上がる日」のための充実した日常作りなのです。

神社清掃のススメ

神社清掃を始めたわけ

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ゴミに埋もれていたたくさんの水仙が花を咲かせてくれました

僕が神社清掃を始めたきっかけは,2019年の神輿が上がらなかったことにあります。台風の接近という事情もありましたが,"直接の原因は天気予報が雨だったから"。

地域のお偉いさん方の一方的な決定でした。

一年間楽しみにして来て,様々な祭を周り一生懸命に活動していた僕はこの決定があまりに悔しく,絶望していました。

しかし文句を言っていても仕方がない,未来に向けてもう一度行動しなければと今出来ることを考えて始めたのが神社清掃でした。

助けてくれる仲間がいた

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仲間とともに

1からはじめた神社清掃。初めは一人でもやろうと思っていたのですが,仲間が助けてくれました。

ふと神社に目を向けて見ると,台風の影響か境内にはたくさんの枝葉が落ちており,そこに空き缶やビニールゴミなども混ざっていることに気付きました。

神社を大切に出来ていないのに,お神輿の事ばかり考えていた僕は大いに反省し,月に一度だけでもきちんと掃除しようと取り組むことにしました。

そんな頃から手伝ってくれた仲間に本当に感謝します。

少しづつ増える仲間たち

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暑い日の草刈り

神社清掃を初めて半年ほど経つと始めた頃から想像できないほど仲間たちが集まってくれていました。

「毎月の神社清掃を本当に楽しみにしています」

と語ってくれる高校生が3人も。

10代の子達が半数をしめ,毎回の神社清掃はとても大切な時間となっています。

またお神輿が上がる日のために

神社清掃を行なってくれている子達は,お神輿を担いだことがない人たちばかりです。

先日,お神輿を磨くために小屋から出し,彼らに見てもらうと本当にキラキラした目で「この神社にこんな立派な神輿があると知らなかった

 絶対に清掃の仲間たちと担ぎたい」

と言ってくれました。

彼らが積み上げて来たケの日は,ハレの日に向かっています。

ハレの日とケの日

なぜ古代の日本人は一年間の中にハレの日を作ったのでしょう?

お祭りの1日と残りの364日。

その両方の関係性があるからこそ豊かな生活に繋がっているのだと思います。

豊かな日常は素晴らしい祭のためにあり,輝くような祭の日はキラキラした暮らしのためにある。

お互いがお互いのために存在し高め合っていくことが出来るならば祭の日はより意味のある日となり,未来に届けることが出来るはずです。

祭を活性化させる極めて有効な手段として,僕は神社清掃を「ススメ」ます。

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