「祭の男」宮田宣也のブログ/明日がもっとスキになる

今,守るべき,つなぐべきこころって何だろう。祭の男,宮田宣也の祭ライフと,祭哲学について。

全国の祭り男たちに聞いた「あなたの一番好きな祭りは何ですか?」

全国津々浦々,様々な場所で祭りがあります。

僕はご縁あって,各所の祭りに参加させて頂いていますが,その場所の祭り大好きな人たちにいつもする質問があります。

「あなたの一番好きな祭りは何ですか?

答えは誰に聞いても同じ

驚くべき事に,答えは誰に聞いても同じです。

日本全国のお祭り男が,口を揃えて言う,ナンバーワンの祭り。

その祭りを研究すれば,祭りの真実に近づき,「どうやって次世代に素晴らしい祭り文化を伝えていくか」についてのヒントがわかると思いませんか?

僕はその答えに,強く共感し,真理に近づいた気がしました。

答えは何だと思いますか?

三社祭?

博多山笠?

青森ねぶた?

どんな祭りを思い浮かべるでしょうか?

正解は,

「地元の祭りが日本一だ!」

です。

そう,全国の祭りに人生かけている祭り男たちは,真剣に地元の祭りが日本一,いや世界一だと思っています。

そりゃそうだ,と思うかもしれませんが,僕はここに次世代へ祭りを伝えていく鍵があると思っています。

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祭りの「面白さ」は,内容でも派手さでもない

最高の祭りとは何か?の答えを追い求める為に,たくさんの祭りに参加していますが,例えばお神輿にもたくさんの形,掛け声,担ぎ方などがあります。

形だけを取ってみれば,その無限の多様さから,何を伝えるべきなのかわからなくなってしまいます。

ド派手なパフォーマンスや,神輿や山車が何基も出る大きな祭り。

数トンもある巨大な神輿,壮大なねぶた。

「祭りとは何か」を捉えるために全ての祭りを回らなければならなければ,物凄いエネルギーと時間がかかってしまいます。

しかし幸いな事に答えは一つでした。

そのたった一つの答えを深く見ていくことで,僕は「祭りとは何か?」の答えに近づく事が出来る事と思いました。

僕が深く分析すべきなのは,「何故地元の祭りが一番なのか?」です。

面白い,最高!と感じるのはなぜか

さて,僕もたくさんの祭りに触れてきましたが,大きなお祭りだから飛び抜けて面白いとか,変わった事をするから這ってでも参加したいとか,そんな風に思ったことは特にありません。

ただ,やはり地元の祭りだけは特別です。

他のどの祭りよりもワクワクドキドキして,いつも頭から離れない。

何回も写真や動画を見直して,楽しかったなあ,早くまた来年にならないかなあ,と思ってしまいます。

そう思うのはなぜか。

感動するのは脳がビリビリ刺激されるから

人間がなぜそんなにも楽しくなって,感動するかと言うとそれは脳が刺激されているからです。

つまり,

一番面白い=一番刺激が多い

と言うこと。

そう翻訳した時に,地元の祭りだけにある特別な刺激とは何だろうと考えた時,それは「思い出」の量だと気付きました。

地元の祭りと言うのは,毎日生活している場所で,もしくは生まれた場所で,行われます。

そこは何度も何度も通った道。

たくさんの友達,家族と触れ合った場所。

小さい頃の楽しかった祭りの日,運動会。

そんな一つ一つが,全ての風景に刻まれているのです。

そこで,自分の大好きな神輿が一年に一回,担がれるのです。

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これは10年前の写真です。2008年。

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そして今年2018年です。

やることは毎年同じです。メンバーも大体同じ。

だけど一度の神輿から,一気に何年も蓄積した思い出が吹き出てきます。

一年に一回同じ事を続けているからこそ感じる事が出来る刺激。

それは本当に特別な風景です。

約束を守る,ということ

そしてもう一つ,僕が考える地元の特別性とは,「守ってきた」というプライドです。

そう,地元の祭りをここまで守ってきたのは,先祖であり,家族であり,友人,地域,そして何より自分です。

そうやって守ってきた祭りの日は,自分の大切な人たちがみんなで,大切にしてきた1日なのです。

全ての大切の矢印は自分から祭りに直接繋がっています。

自分たちで,自分の大切な人たちの力で本気で守ってきたお祭り。

そしてどんな事があっても,一年に一回,必ずお神輿上げようという約束を守っていく日なのです。

だから,特別なのです。だから,何より楽しいのです。

僕が伝えたい,祭りの本当の面白さ,魅力に近づいていくためにはこの事を理解していなくてはなりません。

大切な人たちが大切にし続けてきたものを,力を合わせて継続し,約束を守って行く事。

それがいつしかプライドとなり,自慢の祭りとなっていく。

そうなれば,一人一人にとって「日本一の祭り」が完成するはずなのです。