「祭の男」宮田宣也のブログ/明日がもっとスキになる

今,守るべき,つなぐべきこころって何だろう。祭の男,宮田宣也の祭ライフと,祭哲学について。

日本一の祭はなんでしょう?〜日本一という誇り〜

全国に数十万あるという祭。

僕自身も数十カ所参加したりしていますが,全国の祭の中で日本一の祭とは一体何なのでしょうか?

全国にたくさんあるお祭

全国の代表的な祭について,基礎的な知識を。

日本三大祭

日本三大祭は,京都「祇園祭」,大阪「天神祭」,東京「神田祭」と言われます。

日本三大奇祭

日本三大奇祭は長野「御柱祭」,秋田「なまはげ紫灯祭」,静岡「吉田の火祭」と言われています。

日本三大曳山祭

日本三大曳山祭は,京都「祇園祭」,滋賀「長浜曳山祭」,岐阜「高山祭」。それに加えて埼玉秩父「秩父の夜祭」が入ることもあります。

日本一は一体どこ?

この様に,日本全国に大きなお祭りがあり,日本一は何だと聞かれてもなかなか難しいところです。

しかし実は,お祭り好きなら明確な答えがあります。

www.miyatanobuya.com

こちらにも書きましたが,僕らの答えはいつも同じ。

日本一の祭は「地元の祭」です。

どんなに小さな祭でも,特に派手なことはやっていなくても,他の祭と比べて圧倒的に面白く,圧倒的にワクワクします。

確かに全国の祭を見れば色んなことが行われていますが,地元の祭はずば抜けています。

それは何故なのでしょう?

思い入れが違いすぎる

地元の祭は,自分が育った場所,自分が普段生活している場所,いつもの仲間たちと一緒に行います。

つまり,日常の上にある非日常の日なのです。

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地元の親戚,仲間たち。

「ハレ」と「ケ」の関係性は,極めて密接であり「ハレ」だけでは絶対に捉えられない世界があります。

様々な日常を積み上げた上に良き祭が成り立つし,良き日常を積み上げなければ祭の日最高に楽しい瞬間は訪れません。

喜び,つまり自身が感じる感動を最大化するには,最高の日常を積み重ねていかなければいけないのです。

そういう意味で,一年に一度訪れる他地域のお祭りは,確かに楽しいですが思い入れが違いすぎます。

毎日祭だったらいいのになんて一度も思ったことない

僕は確かに祭好きですが,「毎日祭だったらいいのに」なんて一度も思ったことはありません。

先に述べた様に,日常の積み重ねの上に最高の非日常があることを知っているから,日々,「今年の祭はどうしたら良くなるだろう」「今年はどんな人が来てくれるのかな」と考え,行動しています。

その結果,一年に一度来る地元の祭がもっと楽しくなる。

それを軸に生きているし,明確な軸があるからこそ「祭に生きる」ことが出来るのです。

地元の人たちがみんな日本一だと思っているから

地元の祭は,その地域に住んでいる人たちにとっても日本一の祭です。

そこには大切な家族,育ててくれた人たち。

友達,仲間,そして地域を守って来てくれたご先祖様の思いがあります。

そんな自分にとって大切な人たちがみんな思いを寄せ,「日本一」だと思っている祭を僕たちは守っているのです。

自分にとって一番大切な人たちが「日本一」だと思っている祭。

こんなに大切で特別な日があるでしょうか?

だから僕らが扱っているのは,紛れもなく日本一の祭なのです。

知らない人たちの「日本一」なんて関係ない。

大切な仲間にとっての「日本一」をこれからも守っていきます。

もっとたくさんの人たちに「日本一」だと思ってもらいたい

地元の祭を守っていくたくさんの祭仲間。

先輩,後輩,仲間たち。

みんな「日本一」を扱っているんだと知ってほしい。

祭は,外の人たちのために行なっていません。

あくまで地元の人たちの特別な日。

観光資源だとか,インバウンドだとか全然関係ない。

僕たちが楽しめなければ意味がないんです。

地の祭を活性化する唯一の手段はもっともっと自分たちが楽しむ方法を,参加してくれた人たちが楽しむ方法を考えることです。

僕は,祭にたくさんの人たちが来てくれて,じいさんの祭をみんなで担いで,最高に楽しそうにしている姿を見るのが大好きです。

それが人生の最高の瞬間だし,その瞬間に命をかけた。

祭の日は,来てくれる人たちにとって最高に楽しんでもらいたい日であると同時に,僕にとって最高に楽しい日なんです。

たくさんの幸せが最大化すれば,僕自身の幸せも最大化する。

そういう意味で,同時多発的に多くの笑顔を作れる神輿は,本当に素晴らしい文化だと思います。

「日本一」という誇り

僕は祭が好きだし,一つ一つの祭は本当に楽しみです。

だけど,僕が大切にしているのは,「地元の人がどう思っているか」

外部の祭に参加する際,僕らはよそ者だし,仲間を連れて行ってもどう思われるかわからない。

一つ一つの振る舞いが,地元の人に喜んでもらえるかどうかをいつも気にしています。

まだまだ難しいですが,僕らの存在が地の祭の未来に貢献できなければいけない。

祭を守って来た地元の人たちが,「日本一だ」というプライドを持ち,これからも守って行こうと毎年決心していく様な祭の未来を描くことが出来る様に僕はこれからも神輿を担ぎ続けます。