「祭の男」宮田宣也のブログ/明日がもっとスキになる

今,守るべき,つなぐべきこころって何だろう。祭の男,宮田宣也の祭ライフと,祭哲学について。

地元のお祭りが終わって,今思うこと。〜祖父が亡くなってから7年,今年のお神輿は〜

2018年9月23日。 今年の地元のお祭は,秋分の日でした。 僕のいちばん大切な日。 亡くなった祖父と,一年に一度の約束を果たす日。 それが,僕の地元,産土神社である横浜の小菅ヶ谷春日神社のお祭りです。 年間に何十箇所もお祭にお邪魔しますが,地元の祭…

引き継ぐという事〜「津波なんかで,伝統を絶やすわけにはいかない」

2011年,東日本大震災がありました。 僕は南三陸町へ震災後お手伝いに行き,当時石巻市,雄勝町というところへ訪れました。 目の前にあったのは,瓦礫の山。 そして,ひっくり返ってしまった神社。 「放っておいたら撤去されてしまうこの神社の材料を使って…

僕が学生時代初めてみこしを作った時のお話〜武蔵美の卒業制作のみこしを担いで思い出したこと〜

“すごい1日だった。 ただただ、心が震えた。 すべてをかけて臨んだ神輿。 それが最高の仲間たちの手で上がったんだもの。 誰もがみんな一生懸命で。 誰もがみんな真剣で。 汗、血、涙、いのち。 そんな「人間」がここにはあった。 俺の純粋な思いが形になり、…

「インスタ映え」と「言挙げせず」の比較論

昨今,様々なイベント,観光地,お店などで「インスタ映え」がキーワードとなっています。 人気のSNSであるインスタグラムに載せるためのいい写真を撮れる事が,成功の鍵を握っているかのように言われています。 一方で,日本の古い考え方として「言挙げせず…

「日本人が大切にしてきた祭りの意味がわかった気がした」ベルリンにて

一昨年から毎年行なっている,ベルリンでの神輿渡御。 そこに来てくれたドイツ人が,一昨年と今年,お神輿を担いでくれて,日本のお祭りにも来てくれました。 「お神輿どうだった?」の質問に,彼はこう答えました。 「日本人が大切にして来た祭りの意味が少…

祭の1日を作るためには,残りの364日を考えなければいけない

祭シーズンが終わりました。 年末,年明けに向け色々と準備をしています。 1年に1度のお祭り,その一日は華やかでとても楽しいものです。しかし,現在様々な場所でお祭りが衰退しています。 その1日を継続するためにはどうすれば良いのか? それは,祭の1日…

お神輿を担ぐってどういう事?

神輿を担ぐ際,まず神主さんが神事を行います。 御霊(みたま)入れ,といって神社からお神輿に神様を移しています。 それでは,神社の中,正しくは本殿の中に何があるのか,知っていますか? 神社には拝殿と本殿がある 神社は通常,拝殿と本殿の2つからなっ…

「あなたと一緒に担ぎたいから」行くんです。

全国にご縁を頂き,様々なお神輿やお祭りに参加させて頂いています。 様々なお祭りがあって,その多様さは計り知れません。 色々なお神輿を担いで見たい,祭りに行ってみたい,と言う思いはもちろんありますが,どんな変わったことをしているとか,どんな激…

祭半纏(はっぴ)が背負っているもの〜ただの衣装だと思ってませんか?〜

お祭りの際、お神輿を担ぐ際、半纏(はっぴ)を着ますよね? なんとなく,お祭りの時に着るもの、と言うイメージがあると思いますが,実は半纏(法被)には極めて重要な意味と思いが込められています。 袖を通す時に少しだけ思いを馳せていただけると嬉しい…

お神輿を担ぐにはどうしたらいいの?

さて、先日TBSのマツコの知らない世界でお神輿の楽しさをお伝えできればと思い、出演させて頂きましたがお神輿を担いだことのない人がどうすれば担ぐことが出来るのか。例えば今年も5月に行われる浅草三社祭のような有名なお祭は,どのようにすれば担ぐ事が…

「マツコの知らない世界」出演を終えて〜僕が伝えたかったこと〜

先日10/31に,TBS「マツコの知らない世界」に出演させていただきました。 当日は渋谷にてたくさんの仲間と一緒に見ることができました。 番組を終え,さらに突き進んで行こうと兜の緒を締め直しました。 僕がこんな機会を頂き,どう感じ,何を伝えたかった …

なぜ、祭を続けなければならないのか。~守らなくてはいけないのは何か~

お祭りは毎年一年に一度の大切な一日。 本当に楽しみな日です。 その日のために、一年間かけてご縁を繋ぎ、あたため、やっとその一日を迎える事になります。 しかしふと考えると、お祭りは楽しいことばかりではなく、大変なこともたくさんあります。 それで…

【告知】マツコの知らない世界見ながら祭NIGHT

10/31(火曜日)マツコの知らない世界パブリックビューイング/祭NIGHT 番組に宮田宣也が登場し,神輿の世界をマツコに紹介します。 祭りについて語りながら,番組を一緒に見ませんか? 以下詳細 【会場】 会場:東京都渋谷区渋谷1-11-1-B1 THE GUINGUETTE by…

全国の祭り仲間で飲み明かしたい〜祭りの未来は「みんなで」考えよう〜

日本には,全国どこへ行っても祭りがあります。 幸運にも,様々な地域にご縁を頂き,たくさんの熱い祭りの魂を感じています。 そして,共に各地の神輿を担ぎ,祭りを成功させた事は最高の時です。 そんな祭りを軸にした魂の交流をいつか,してみたいものです…

"I protect my island, so you protect your island"クロアチアの海で出会ったブルーノがくれた言葉

今年の6月,ベルリンとフランスでの神輿渡御を終えた後,スロベニアを訪れました。 そしてスロベニアの隣,クロアチアへも。 そこで出会った船乗りのブルーノ。 彼はガハハと笑いながら僕の目を見て大切な言葉をくれたのです。 ・ブルーノとの出会い 僕をク…

祭を愛する人に「祭行きたい」って言わないで

一年に一度のお祭り。 僕お祭りが好きなので,もちろん外へ行ってもお祭の事について聞かれます。 「行ってみたい!」 「お神輿担いでみたい!」 と言ってくれるので,日にちが近づくと連絡するのですが,その後とても悲しくなる事が多いので最近はあまりし…

都会ではお神輿は「地元の人しか担げない」んじゃなくて「地元の人は担げない」事を知っていましたか?

お祭りの華であるお神輿。 「地元の人しか担げない」と言うイメージがありますよね。 しかし実は,祭りの当日,「地元の人は担げない」と言う事がよくあります。 氏神様が乗ったお神輿を,氏子の人が担いでゆく。 それが本来の形ならば,少し意外かもしれま…

「お神輿担いだってちっとも楽しくない!」を知ることから始めよう

お祭りって楽しいですよね!僕はお神輿担ぐのが大好きです。 しかし,地域の祭りを再生しようとするならば,神輿担いだってちっとも「楽しくない」事を認識する事が最初のステップだと考えます。 それは,どう言う事なのか。考察してみましょう。 ・お祭り=…

あなたのステージとワクワクの相関性〜とびっきりの感動はどこに〜

今年はお祭りを通じてヨーロッパに再度訪問することが出来たり,先日はテレビの収録で有名芸能人と,スタジオでお神輿を担いだり,来月には1300年という節目のお祭りで奈良のお神輿を担がせていただいたりします。 僕はあくまで愚直に祭りを続け,神輿を担ぎ…

「伝統とは確信の連続である」の意味を祭りから捉えてみる

僕の故郷の例大祭が先日9月24日の日曜日に終わりました。 じいさんが作ったお神輿は,一年に一度,9月の第四日曜日にしか上がりません。 お神輿はとても楽しくて,たくさんの仲間たちが集まって,本当に豊かな時間です。 でも,一年に一度しかお神輿を上げる…

あなたが一番好きなお祭り何ですか?という質問にあなたは何と答えますか?

全国各地,たくさんのご縁を頂き,様々な祭礼に参加していますと,よくこんなことを聞かれます。 「一番好きなお祭りは何ですか?」 さて,この質問に何と答えるでしょうか? 全国を巡ると素晴らしいお祭りはたくさんあります。 青森のねぶた,秋田竿燈,江…

縁日という言葉から縁について考える

【縁日】神仏と現世に何か縁があるとされる日。その日に参詣(さんけい)すると、ふだんにまさる御利益(ごりやく)があるとされ、祭礼、供養が行われる。 縁日,という言葉から,露天商が集まって,魅力的な匂いを漂わせながら露天独特の魅力的な食べ物を売…

ベルリン神輿渡御を終えて〜日本文化はファッションじゃない。伝えるべきは形じゃない〜

2016年5月15日。 ベルリン,カルナヴァールデアクルトゥーレンで,史上初の神輿が上がった。 たくさんの想いが交錯し,波となりうねりとなり当日を迎えた。 海外で神輿を上げる意味とは。 僕は明確に日本文化,とりわけ祭りに危機感を持っている。 祭りを愛…

ベルリンに神輿が上がる日

明日,ベルリンに神輿が上がる。 今日のうちに,今の気持ちを書いておこうと思う。 思えば,まさか海外で神輿が上がるなんて思っても見なかった。 神輿が海を越えた,2年前。 南フランスで神輿を上げた。 今,僕はベルリンにいる。 じいさんの神輿と共に。 …

神輿を担いでいる時,人はみなフラットになれるんです

「担ぎ上げる」という言葉がある。 一般的に,日本のお祭りで神輿が出る場合,「御霊入れ」という行事があり神様を乗せる。 そして複数人によって担ぎ上げられる。 少しそれを視覚的にどういう意味があるのか考察してみる。 神様と人との上下関係について 神…

鳥居の前で一礼しないってダサいと思わない?〜神輿をベルリンへROADTOBERLIN②〜

街を歩いている時,鳥居の前で一礼する人の姿を見たことがありますか? そしてあなたは,鳥居の前で一礼したりしていますか? その理由について,考えてみる。 鳥居,とは まず,鳥居とは何か。 鳥居は,門である。入り口。 神社は「結界」により神域が囲ま…

伝えるべき日本の風景〜神輿をベルリンへROAD TO BERLIN①〜

先日,昨年に引き続きバンコクで神輿渡御を行った。 バンコクでの神輿渡御は,文化やこころの伝達に重きを置いた。 神輿を担ぐ楽しさ,連帯感,高揚感。 形や技術にこだわらない純粋な神輿の機能を引き出そうとした。 今年,5/15。 もう一度,海外へ行く。 …

バンコクへみこしを通じて伝えたいこと〜集団エクスタシー〜

2016年2月12日〜14日。 バンコクで2回目のみこしが上がった。 「みこしって何だろう。」 その答えを探っている。 宗像大社の神主が僕に与えてくれた言葉の意味を探しに。 ・バンコクへ到着 11日,スワンナプーム空港。 飛行機を降りると,日本では忘れかけて…

タイへおみこし上げに行ってきます〜僕が海外で神輿を担ぐわけ〜

ご無沙汰です,色々ありまして滞っていました近況報告をもう一度。 明日から,もう一度バンコクへ行く。 今週末2/12~14に行われるタイジャパンエキスポで神輿を上げるために。 僕はなんのために海外へ「みこし」を上げに行くのか。 その理由を綴ってみたい。…

イノシシもらった〜地方の土着のコミュニティで成立する貢献交換経済の永続性について〜

先日,前々からずっとお世話になっている農家さんからイノシシ肉をもらった。 もう,5年以上の付き合いだが今では家族のような関係だ。 何かと気にかけてくれるし,お米や野菜をたくさん頂ける。 地方の土着の家は大体農業を行っていて,食べ物に溢れている…