「祭の男」宮田宣也のブログ/明日がもっとスキになる

今,守るべき,つなぐべきこころって何だろう。祭の男,宮田宣也の祭ライフと,祭哲学について。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

神輿を担ぐ友の右肩①再会〜府中大国魂神社くらやみ祭〜

午前2時半。 祭のあと,出店を片付ける人。 まだ残る食べ物の匂い。 その夜は,いつも独特の雰囲気がある。 僕がこの神輿を初めて担ぐことになったのは2年前。 友人から連絡をもらった。 「神輿担ぎに来てくれないか」

神輿や祭に何の意味があるのかと問われれば,最高だからと答えたい。

全国には様々な祭があります。 神社,お寺,その他を含めれば数十万あるとされる祭。 しかしこんなにもたくさんの祭は何故今も残され,継続しているのか。 僕は祭によってたくさんの人たちのご縁と想いが重なり蓄積されて大きな力になり,さらには日々の暮ら…

五年前の奇跡③<完結>土砂降りの境内〜岡山県備前国総社宮例大祭〜

彼の表情は、どうだろう。 夕方からは、雨。 土砂降りの雨の中,人生で初めて神輿を担いだ彼の表情を僕は探していた。 今年,神輿は上がらないかも知れなかった。 「雨が降れば全ての行事を中止せざるを得ません」 祭数日前の宮司の言葉だった。

五年前の奇跡②初めて神輿を担ぐ日〜岡山県備前国総社宮例大祭〜

天気予報は、雨。 朝、社務所で目覚めた僕は,外に出るとひやりとした空気を感じた。 今日は備前国総社宮春の例大祭。 晴れの国岡山と呼ばれているだけあって,竣工祭始まって以来の大雨予報だった。 数日前,岡山に来る前僕は石巻にいた。

五年前の奇跡①1200km〜岡山県備前国総社宮例大祭〜

出会いはまさに奇跡だった。 五年前,春になる前まだ肌寒い頃。 銀座。僕は宮司とそこで出会った。

浜の咆哮③おのぼり(完結)~宮城県石巻市雄勝町大須八幡神社例大祭〜

赤い水中にいるようだった。辺りが暗くなってくると,境内は提灯の光で満ちてくる。他に明かりは一切,無い。見えるのは真向かいの担ぎ手の顔,そして神輿。

浜の咆哮②~宮城県石巻市雄勝町大須八幡神社例大祭〜

今日の水温は9℃。例年よりもかなり低い。ひやりとした海に身を浸してみた。 身震いするほど,というほどでも無かったが冷たい。神輿は対岸の岩場へいく。

浜の咆哮①~宮城県石巻市雄勝町大須八幡神社例大祭〜

体温が奪われ,感覚が無くなってくる。足先に感じるのはヘドロのようなぬめり。時に固い岩につまずく。まだ冷たい東北の海を,担ぎ手は神輿を担いでいく。 神輿を海に浸けてはいけない。

踏み越えて生け②<完結>〜飛騨古川気多若宮神社例大祭,起こし太鼓〜

宙から見た景色は,どうだろう。僕は棒の上にいた。下にはさらし姿の仲間たちだ。祝い唄を,唄っている。そこに見える街並,下で支えてくれている男たち。身体を貸してくれた仲間。僕の中をたくさんの感情が駆け巡った。