出会いはまさに奇跡だった。 五年前,春になる前まだ肌寒い頃。 銀座。僕は宮司とそこで出会った。
赤い水中にいるようだった。辺りが暗くなってくると,境内は提灯の光で満ちてくる。他に明かりは一切,無い。見えるのは真向かいの担ぎ手の顔,そして神輿。
今日の水温は9℃。例年よりもかなり低い。ひやりとした海に身を浸してみた。 身震いするほど,というほどでも無かったが冷たい。神輿は対岸の岩場へいく。
体温が奪われ,感覚が無くなってくる。足先に感じるのはヘドロのようなぬめり。時に固い岩につまずく。まだ冷たい東北の海を,担ぎ手は神輿を担いでいく。 神輿を海に浸けてはいけない。
宙から見た景色は,どうだろう。僕は棒の上にいた。下にはさらし姿の仲間たちだ。祝い唄を,唄っている。そこに見える街並,下で支えてくれている男たち。身体を貸してくれた仲間。僕の中をたくさんの感情が駆け巡った。
純白のさらしは,清浄を表すという。 男たちが,集まっている。 起こし太鼓は,岐阜県飛騨市古川で行われる気多若宮神社の例大祭に合わせて行われる。
落下する無数の火の粉を目で追う。 初めは目が落下速度に追いつかず,無数の真っ赤な高熱の鉄粉が視界を覆っている。 しかし刹那の先,ふうわりとした赤い雪の粉が舞っているような錯覚に陥る。 暗闇の中,僕は見とれてしまう。
息が、できない。 道の真中に撒かれる凄まじい量の爆竹,けたたましい爆発音。そして白煙。 御輿を担ぎながら,怪物の様な白い煙の中に飛び込んで行く。
穏やかな日だ。 辺りは田圃に囲まれて,青い祭法被を着た子供達が少し散りかけた桜の下で祭の日を慶んでいる。 母親が集まって子供達の成長した姿を写真におさめている風景は,毎年変わらないのだろう。
先日、映画「MIKOSHI GUY 祭の男」にも登場する山梨県笛吹市の美和神社例大祭へと参加してきました.。桃と桜の花が咲く頃,桃色の浴衣を着て「ソコダイ!ソコダイ!」の掛け声でお神輿を担いで行きます。
2019年3月31日,小田原市民会館小ホールにて映画「MIKOSHIGUY祭の男」の特別上映会が行なわれました。当日は約100名の方にお越しいただき,盛会となりました。
先日3月29日、23日から一週間行われた渋谷アップリンクでの映画の公開が無事終わりました。本当に多くの方に来ていただきました。ありがとうございます!
映画の上映に合わせて、youtubeの配信を開始しました。映画には収まりきらなかったエピソードや、裏話など映画にまつわる話だけでなく、祭の魅力や今まで神輿に触れてきて感じ、考えたことなど発信していこうと思います。
約2年半の歳月をかけて作られた宮田宣也のドキュメンタリー映画,「祭の男MIKOSHIGUY」が先日ついにお披露目されました。「これは宮田さんへのプレゼントです」監督からの言葉。
全国に数十万あるという祭。僕自身も数十カ所参加したりしていますが,全国の祭の中で日本一の祭とは一体何なのでしょうか?